2008/12/12 ロシイスカヤ・ガゼータ紙
12月5日、ウラジーミル・プーチン首相が政府決議「特定のエンジン可動式輸送手段に対する関税率の修正について」に署名した。12月10日付ロシイスカヤ・ガゼータ紙が報じた。
12月2日ヤロスラブリで行われた会議において、フリステンコ産業貿易相からプーチン首相に対し、同決議の早急な採択を求めたことは記憶に新しい(週刊『ダーリニ・ボストーク通信』778号に関連記事)。その要請にこたえたかのような、早急な署名であった。
この政府決議は12月5日付で政府公式サイトgovernment.ruに掲載された時点では「決議の発効は公式発表から一ヵ月後」と定められている。公式発表媒体とされる官報ロシイスカヤ・ガゼータへの掲載は12月12日、掲載日(12月12日)から1ヶ月経過した時点で発効するとされている。12月12日付PrimamediaまたポータルサイトDrom.ruの同日付発表には、2009年1月の最初の営業日である1月11日から発効すると報じられている。11月7日に発表された政府貿易保護措置・関税政策委員会の提案に従えば関税率の見直しは以下のとおり。
現状
区分 |
経年数 |
関税率 |
1.新車 |
〜3年 |
25%もしくは排気量(1cc)あたり1.00〜2.35ユーロ |
2.中古車 |
3年〜7年 |
25%もしくは排気量(1cc)あたり0.45〜1.00ユーロ |
3.禁止関税 |
7年〜 |
1.40〜3.20ユーロ |
(2008年11月27日付ベードモスチ紙参照)
↓
委員会による提案
区分 |
経年数 |
関税率 |
1.新車 |
〜1年 |
提案では触れられず |
2.中古車 |
1年〜5年 |
30%もしくは排気量(1cc)税率も相応に引き上げ* |
3.禁止関税 |
5年〜 |
2.50〜5.70ユーロ |
*なお12月10日付のロシイスカヤ・ガゼータ紙は、経年数3〜5年の中古車に対する関税率は25%から35%に引き上げられる、と報じており各紙が提示するデータにずれがある。
この新関税率は9ヶ月の季節関税として導入されるが、その後延長される可能性も十分にありうる。
同関税引き上げ措置はロシア国内メーカーの保護として策定された。ロシア国内で外国メーカーによって組み立てられる自動車も、同様に輸入自動車に対する競争力を増すことが出来る。日本からの中古車輸入販売が主要産業となっているロシア極東地域では、これまでも関税引き上げに反対するデモが行われてきたが、12月14日にも決議署名を受けて再度のデモが行われる予定だ。
政府決議が無効になるには、大統領又は憲法裁判所が決議内容を違憲又は現行法に矛盾すると認めるか、対象となる政府決議を無効とする新たな決議が採択されねばならない。
※詳しい情報は『月刊ロシア通信』1月号および2月号に掲載予定