2008/9/29 週刊『ダーリニ・ボストーク通信』768号
9月23〜25日にメドベージェフ大統領がチュクチ自治管区、マガダン州、カムチャツカ地方を訪問した。この訪問にはナビウリナ経済発展相やコザク地域発展相などが参加しており、その顔ぶれからも大統領の意気込みが伺われる。今回の訪問ではどのような成果が見られたのであろうか?
大統領がまず訪れたのはチュクチ自治管区であった。大富豪のアブラモビッチ氏が知事を務めたことで有名になった地区である。また、チュクチ自治管区は北極地方の調査において重要な役割を果たす使命を帯びている。そのために港のインフラを発展させることが確認された。(9月24日付ロシイスカヤ・ガゼータ紙)
24日、大統領はマガダンに移り、同地域の社会経済発展問題会議を開催。
25日にはカムチャツカに飛び、太平洋艦隊の潜水艦基地を訪問。軍人達に住居などの生活条件を改善することを約束した。また、カムチャツカでも社会経済発展問題会議を開催し、カムチャツカの観光とスポーツを発展させる必要があると訴えた。カムチャツカはユニークな自然に恵まれ、エコツアーを含めた国際的な観光の中心となりうると大統領は主張している。さらに、大統領は、ウインタースポーツのロシアナショナルチームのトレーニングセンターをカムチャツカにつくる案を支持している。2006年のトリノ五輪のアルペンスキーのロシア代表の半分はカムチャツカの住民であった。(9月25日付Vesti.ru)
今回の極東訪問で特に重要な位置を占めていたのがマガダンへの訪問である。ここで開かれた社会経済発展問題会議ではマガダンの様々な経済ポテンシャルについて討議された。
マガダン州は僻地という不利な条件にあり、労働力が流出している。住民の約6人にひとりが貧困生活を送っている。老朽化し、崩れかけた住宅の数も多い。だが、大統領はこれらの問題を解決できると主張している。マガダンは金、銀、銅、モリブデンといった鉱物資源をはじめとする豊富な天然資源に恵まれているからだ。大統領は、「ロシア及び外国の投資をマガダンに呼び、新たな合弁プロジェクトを始める必要がある」と語った。
天然資源の開発という点で、特に注目に値するのがマガダン沖油ガス田である。大統領は、「ここにはかなりの量の石油とガスが埋蔵されている。この油ガス田には、アジア太平洋におけるロシアの友好国と隣接しているというメリットがある」と述べている。
(週刊『ダーリニ・ボストーク通信』768号より抜粋)