JSNトップページ > ニュース記事

最新ニュース

運輸省がダリアビア救済策を審議、ダリアビアの便はすべてウラジオストク航空に移る

2008/9/16 コメルサント紙

 9月第二週末、運輸省の会議で「ダリアビア」社をめぐる問題の解決策が審議された。
ダリアビア社はハバロフスク空港に対する債務問題を背景に同空港からのサービスがストップされ、また乗客に対する契約内容が法律の規定にそぐわないものとして最高検察庁から起訴されている。同社の運航する便にも、欠航や遅延が相次いでおり、早急な対応が求められている。9月16日付コメルサント紙が伝えた。

 運輸省の関係者によれば、同省の会議によって一連の解決策が策定された。公開型株式会社「ブヌコボ国際空港」の理事長ビタリー・バンツェフの指揮の下、AIR UNION乗客輸送組織緊急対策本部が、ダリアビア社をめぐる様々な問題への対応に当たる。今回ダリアビアに対してとられる救済措置は、航空連合「閉鎖型株式会社AirUnion」に対してとられた措置と類似したものとなる(*)。

 ヴァンツェフ氏によれば、すでに9月12日(金)の時点ですでにダリアビア社が運航する便はすべて「ウラジオストク航空」(**)の運航に移された。この先、ウラジオストク航空が、それらの便の運航による収益から、トランスポート・クリアリング・ハウス(TCH)(***)の口座を通じて、当面必要な燃料費および機体整備等のサービス費用を支払うことになる。

 今後ロステフノロギーがウラジオストク航空の株式を取得し、同社と航空会社「アトラント・ソユーズ(AS)」の合併を行う計画である。この計画に関連して、ヴァンツェフ氏はウラジオストク航空の経営陣と協議を行うために極東を訪問するという。同氏によれば、ウラジオストク航空の一般株主と経営陣は、合併計画に理解を示している。「どちらにしても、これらの航空会社の支配株を有しているのは国家であり、最終的な決定は国家による」と同氏は言う。

 ダリアビア社の経営陣は、ウラジオストク航空への吸収合併に関しては「公式な決定はまだない」としてコメントを控えている。

 サハリン航空(SAT)の第一副社長アンドレイ・コレスニク氏は「各地の航空会社が、ダリアビアの便を引き継ぐことは技術的には難しくない。ただ、ダリアビアの債務を引き受けることは、どの会社も出来ない」という。SATもやはり、ダリアビアがこれまで運航してきたサハリンへの便を引き継ぐ計画を審議している。
 

* Air Unionは燃油買掛金の増大と未払いが原因で、空港での機体整備サービスが受けられなくなった経緯がある。そのため8月21日から同連合が運営する便に各地で影響が出た。その際には、国家備蓄からの放出による燃料供給、運航ができなくなったAir Union加盟航空会社を航空会社「アトラント・ソユーズ(AS)」(実質的にモスクワ市が経営する航空会社)に統合する、などの処置が提案された。

** ウラジオストク航空:2007年の旅客輸送量は伸べ77万6000人。長距離輸送機Tu-204、中距離輸送機A-320 、Tu-154 をはじめとする、航空機30体を保有。同社株式の51%を国家が保有。

*** トランスポート・クリアリング・ハウス:ロシア連邦運輸省航空局の指令に従い、ロシアとCIS諸国の航空会社が設立した機関。市場経済的経営手法に移行するなかで代理店と航空会社の間の売上金の決済を確実にすることを主目的とする。




page top