2009/9/9 コメルサント紙他
ハバロフスク地方交通検察庁は連邦航空輸送庁(ロスアビアツィア)の専門家とともに公開型株式会社「ダリアビア」に対する捜査を行い、同社と乗客の間で交わされた契約条件に違法性を見つけた。9月9日付でAK&M通信が、最高検察庁の発表を伝えた。
捜査中、ダリアビア社の航空券に記入された契約条件が現行の航空法及び民法にそぐわないものであるとの決定がなされた。同契約が、提供される航空輸送サービスの内容について、乗客に誤解を生じさせる内容のものである、と検察側は見ている。
検察側は契約中以下のような点を問題視している。例えば、同契約に従えば、航空会社は事前の通知なしにフライトスケジュールや、使用する航空機、到着地点を変更することが出来る。また同契約には、ダリアビア社は便の調整に責任を負わないもの、と明記されている。航空券には、航空輸送の中断や遅延、取り消しに際して航空会社が乗客に対して提供しなければいけないサービスについて、しかるべき言及がない。また荷物の扱いや、重量、危険物に関する規定も現行法に即したものとはなっていない。
捜査の結果、「ダリアビア」社および同社の代表取締役チチリモフ氏は、ロシア連邦行政違反法典14.8条1部に関する違反(商品、サービス、メーカー、販売者、業務担当者、それら業務従事者の業務体制に関する消費者の知る権利違反)で起訴された。
また裁判所にダリアビア社に対してこの度の捜査で明らかになった違反を改善するよう求めた訴状が提出された。同訴状によれば、同社は航空輸送サービスに関する乗客との契約を現行の連邦法に適合するように修正しなければならない。
ダリアビア社の進退に関しては、アエロフロートの傘下に入ることで債務問題を部分的に解消するという案も出ていたが、ロステフノロギーがあらたにAIR UNIONを基盤に設立する連合に参加するとの見方が強い。
9月9日付Rosinfocom通信の報道によれば、9月15日からアエロフロートがダリアビア社にかわってモスクワーハバロフスクーモスクワの定期便の運行を再開する。このルートの定期便は、2005年の冬季から契約に基づきアエロフロートからダリアビアの運行に移ったものである。
*「ダリアビア」航空
ハバロフスク地方を拠点とする航空会社。定期便による航空輸送サービスを主の業務とする。ハバロフスク地方における旅客及び貨物航空輸送市場において90%以上のシェアを占める。25都市への便を運行し、航空輸送機を30機保有(主なものにTU-214、 TU-154、 An-24、An-12など)。