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「世論におもねる必要はない」ロシア野党勢力は政府の対グルジア路線を批判

2008/8/27 コメルサント紙

  8月26日、非公認野党「人民民主主義同盟」党首ミハイル・カシヤノフ氏は、「グルジアにおける紛争とその影響を考慮するなら、世論が支持するとしても政府の方針を認めるべきではない」と述べた。8月27日付のコメルサント紙が伝えた。

  他の野党代表者たちも、今のところ「世論」が支持する南オセチア及びアブハジアの独立承認に賛成する構えはない。

 カシヤノフ党首は、ロシア政府のグルジアへの対応を批判し、南オセチアおよびアブハジアの独立を認めた大統領令を「ロシアを国際社会における孤立に追いやる深刻な間違い」と呼ぶ。このようなカシヤノフ氏の立場は国民からは人気がないが、それでも同氏は「多数派に合わせるのはポピュリズムだ」として、自らの立場を堅持している。「現在のような状況で、野党は決して世論の流れにおもねり、同調してはいけない」とカシヤノフ党首は言う。

  「右派勢力連合」のニキータ・ベルィフ党首は、グルジアにおける紛争をめぐる現状が、野党にとって自らの立場をアピールするにはうってつけのチャンスだと見ている。「現在我々『右派勢力連合』は自らの立場を明確に示す必要がある。その結果、他の党の立場やテレビ報道と対立することになってもかまわない」とベルィフ氏は言う。

 「ヤブロコ」のミトロヒン党首や、反与党勢力の代表的政治家ボリス・ネムツォフ氏は、政府がグルジア問題をめぐるプロパガンダにより、重要な社会生活や内政の問題から国民の目をそらしている、と指摘する。

  「国民は皆、それぞれの問題を抱えている。一時的に声高なプロパガンダで注意をそらしても、問題の根本は消えるわけではない。テレビ中継に気をとられて、一時忘れているだけで、問題は何も解決していないのだ」とミトロヒン氏は言う。

  「グルジアをめぐる全国的なヒステリーにより、政府は一時的に国民の目をそらしているが、国民はいずれ自ら気づくことになる。我々は、様々な規制はあるが、国民に対して何が起こっているのか説明することに努める」とネムツォフ氏。

 社会システム研究所副所長のドミトリー・バドフスキー氏は、「現在ロシア市民の間で『戦時的意識』が高揚している」と指摘している。同氏によれば、この「戦時的意識」がどの程度堅固で長く続くものなのか、見極める必要がある。「現在の状況では、野党勢力は思想戦において無力である。発言するだけでなく、具体的な行動で示さなければ、国民には届かないからだ」とバドフスキー氏は指摘する。(8/27)




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