コメルサント紙 5月31日など
セルゲイ・ナルイシキン大統領府長官は5月29日に行われた「統一ロシア」全ロシア会議および30日の「若き法学者国際会議」に出席した。これらの会議において、同長官が行った演説では、ロシア国家発展における政府(現在においてはつまりプーチン内閣)の役割が強調されている。5月31日付コメルサント紙の報道をもとにまとめた。
「現在国家機構において、執行権力機関の役割がその重要性を増している。つまり国家における最高執行権力機関である「政府」の役割は高まっている」とナルイシキン長官は言う。
同長官によれば、政府の効果的な作業こそが、執行権力システムの安定及び国家運営の効率を保証する。大統領府の長官が、政府(及び政府議長である首相)の役割をこれほどに重視する発言をするのは興味深い。
また同長官は、現在各地方の議会をはじめ、多くの機関が立法権を持っていることについて疑問を呈した。「現在これだけ多くの立法機関が存在することには議論の余地がある。これら地方の立法機関は、地域の利権がらみの選挙で選ばれたメンバーにより、地方有力者の個人的、または企業的利益を代弁していることが多い」とナルイシキン長官は言う。ここでもやはり同長官は、政府の役割を強調する。「立法活動のため最も充実した基盤を有し、現実的な効果をもたらしているのは、政府である」とナルイシキン氏は言う。
ナルイシキン長官の発言は、「地方政府の立法権の見直し、連邦政府への立法権の集中」 を呼びかけるものともとれ、反響を呼び起こした(5月30日付ガゼータ・ル通信)。「各連邦構成主体の議会が持つ立法権はロシア連邦憲法104条によって定められており、地方の立法権を制限するには憲法改正が必要になる」と政治学者のドミトリー・バドフスキー氏は言う。