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世界の主要投資銀行の間でルーブルの評価が上昇−ルーブルの国際通貨への道のり

ガゼータ・ル紙 2008/5/5

 ゴールドマンサックスやメリルリンチ、ドイツ銀行など主要な機関投資家の間で、投資対象や今後有望な通貨として、ルーブルの評価が高まっている。ブルームバーグが伝えた。

 米ドルは、この数ヶ月のうちにユーロに対し大幅に値下がりした。そのユーロにしても、この半月ほどの間に出された欧州の各種経済統計が芳しくないなど、投資家を落胆させる材料が出始めている。

 一方、ルーブルには、引き続き高値を助長する要素が多い。ひとつには、ロシア政府がインフレ抑制のため、ルーブル高政策に着手する見方が強まっていることがある。こうした影響で、ルーブルは、今後半年間で主要通貨に対し4%は上昇するものと見られている。ロシア政府がルーブル高政策をとらなければ、2008年のインフレ率は、昨年の11.9%を大きく上回る14.5%と予想されている。問題は、政府がこの政策に着手する時期であるが、秋以降との見方が強い。

 仮にルーブル高政策がとられた場合、国の税収の半分以上を納める石油関連企業は、輸出依存産業のため、大きな打撃を受ける。その一方で、サービス産業にとっては成長を促す契機となり、現在の石油依存構造を幾分か和らげる効果は期待できる。ただし、外国からの投資が増えれば、インフレはさらに加速する。これは、2007年に起きた急激なインフレの一因ともなった。

 しかし、外国投資の影響はそれだけではない。ロシアは数年以内に、輸入が輸出を上回る貿易赤字に転じると予想されている。この赤字を補うのに、外国からの投資が不可欠なのである。 

 ルーブルを国際的に通用する通貨にすることは、プーチン大統領*が提唱したものであり、メドベージェフ次期大統領*も副首相時代からこれを思案している。ルーブルに世界的な注目が集まっていることは、その実現を促すに違いない。ただそれだけでは明らかに不十分である。ある専門家は「この(ルーブルを国際通貨にする)展望に諸外国が関心を示すことは、今の時点ではないだろう」と指摘している。

*注)記事は5月5日発表のため、その当時の肩書きによる。

 



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