www.dp.ru 2007/07/02
7月4日、全ロシアが1年以上待ち続けた2014年冬季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれる。
専門家の多くが、ソチにチャンスはないと見ている。というのも、ライバルのオーストリア・ザルツブルグと韓国・平昌(ピョンチャン)が、IOCから(五段階評価で言う)“優”と評されているのに、ソチは“良(とても良い)”の評価しか得ていないからだ。
ソチがトップに立っているのはただ一点だけである−全世界で実施されたプロモーション活動とマーケティングにかけた予算だ。ソチがかけた費用は約3000万ドル、平昌は2100万ドル、ザルツブルグは1200万ドルで、ソチの3分の1ほどでしかない。
ソチのPR活動を企画、実施したのは、2012年の夏季五輪のロンドン誘致に成功した実績があるWeber Shandwick社。専門家が、ソチの誘致活動で高く評価するのは、同社と手を結んだことである。ソチのCMは、CNN、BBC、Eurosportなど多くの国際放送で放映されたからだ。
それ以外にも、IOCの委員を驚かせた競技施設の模型の製作者は、ウェールズのMillennium Stadiumを作った建築家である。スキー場計画は、カナダのEcosign Mountain Resort Planners Ltd.が作成した。
さらに、ソチのキャンペーン映像“Russia. The Door is open”を制作したのは、Media Art Groupの代理店FCB MAとStudio DTV-MA Production House。この映像の目的は海外におけるロシアのイメージを向上させることだが、制作監督を務めたのは世界的に有名なRupert Wainwright氏である。
しかしながら、こうしたライバルたちを上回るPR活動も、ソチの五輪誘致を成功させる手助けとはならないだろう。それなのに、ロシアは楽観論に満ちている。ニュース番組“Vesti”が実施した調査では、ロシア国民の63%がロシアの勝利を確信していると答えた。
IOCの総会はモスクワ時間の4日(水)19時から開始される。ロシアでは18時頃から早くも生中継される。立候補都市のプレゼンが始まるのは19時以降で、開催地が決定するのは、日付が代わって5日の午前3時ごろになる見通しである。