ロシイスカヤ・ガセータ 2007/06/29
7月1日からロシアの遊技産業に大きな変革をもたらす法律が施行される。法律が定める条件に満たない遊技・ギャンブル関係施設は営業停止を余儀なくされる。
条件は、施設経営者の資産額、施設面積、来場者及び従業員の年齢制限など多岐にわたる。ある試算によると、現在国内で営業しているギャンブル関連施設全体の3分の2以上が、これらの条件を満たせないそうだ。
ロシアのシンクタンクによる世論調査によると、国民の65%が遊技産業を否定的に見ており、肯定的に捉えているのは6%しかない。更に、60%が今回のギャンブル規制の法律に賛成し、32%は産業としての全面的な解消を望んでいるなど、全体的な世論の潮流は、ギャンブル規制の方向に向いている。
2009年7月1日からは、指定される4地域(アルタイ地方、沿海地方、カリーニングラード州、ロストフ州及びクラスノダール地方{ロストフ州とクラスノダール地方については、2行政主体で1地域と見なす})以外での遊技場の営業は全面的に禁止される。
全面禁止まではまだ2年余りの時間があるが、現時点で既に、ロシア連邦の全86連邦構成主体のうち、38地域が、下の表の通り、独自の規制強化に乗り出すことを発表している。
遊技産業は、地方自治体にとって、多額の納税を期待できる重要な存在である。納税額が数億ルーブルに上る自治体もある。雇用の点からも独自の役割を果たしている。この産業の就労者の約8割が27歳未満で、若年層の雇用を支えているのだ。
遊技産業に代わる新たな納税源と、若年層の雇用の確保−この課題に、各自治体は早急に取り組まなければいけない。
2007年7月1日からのギャンブル業界規制強化に関する各行政主体の対応(6月24日現在) |
|
行政主体名 |
施行予定の内容 |
クラスノヤルスク地方 |
規制強化のみでなく、全施設の全面操業禁止 |
チェチェン共和国 |
|
ベルゴロド州 |
|
クルガン州 |
|
タンボフ州 |
|
カルガ州 |
|
ウドムルト共和国 |
|
カバルジノ・バルカル共和国 |
|
北オセチア共和国 |
|
ダゲスタン共和国 |
|
アドィゲヤ共和国 |
|
イルクーツク州 |
|
モルドヴィア共和国 |
|
トィヴァ共和国 |
|
サハ共和国 |
|
カラチャエヴォ・チェルケス共和国 |
|
イヴァノフ州 |
|
チュコト自治州 |
|
オムスク州 |
スロットマシン施設のみ操業禁止 |
チェリャビンスク州 |
|
サラトフ州 |
|
スモレンスク州 |
|
サハリン州 |
|
ヴォロネジ州 |
2008年1月1日よりスロットマシン施設のみ操業禁止 |
ノヴォシビルスク州 |
|
モスクワ市 |
|
サンクト・ペテルブルグ市 |
|
レニングラード州 |
|
ハンティ・マンシ自治州 |
|
バシュコルトスタン共和国 |
|
モスクワ州 |
|
アルハンゲリスク州 |
2008年1月1日より全面操業禁止 |
リペツク州 |
|
ブリヤート共和国 |
|
ノブゴロド州 |
2008年7月1日より全面操業禁止 |
リャザン州 |
|
タタールスタン共和国 |
2ヶ所の特別地域を除き全面操業禁止 |
アルタイ地方 |
許可地域を除き全面操業禁止 |
ヤロスラヴリ州 |
規制強化に反対の姿勢 |
トムスク州 |
|
ウラジミル州 |
|
キロフ州 |
|
カムチャツカ地方 |
|
ロストフ州 |
規制強化に反対の姿勢をとっているが、2009年7月1日 |
から指定される区域を除き、スロットマシン施設の全面禁止 |