イズベスチヤ 2007/06/26
夏になると、街は急速に静かになる。都市住民が、バカンスに出かけるからだ。しかし我々は大切なことを忘れている。もっとも大切なもの−貯金を我が家に置いていることだ。国民の多くが家の中の人目につかない場所に、お金を隠している。いわゆる「タンス預金」だが、安心してはいけない。警察関係者によると、コソ泥は一番にこのお宝(タンス預金)を探すのだという。
現金を家の中のどこに隠すか−今回アンケートをとり、さらにその道のプロにも話を聞いてみた。以下アンケートの結果である。
〈ロシア人はどこにお金を隠すのか?〉
・引出しの中 26%
・服と服の間、服の中など 26%
・本、CDやビデオテープの中 20%
・壁に据え付けた高い物置棚 10%
・ベッドの下(敷布団の下) 7%
・台所 6%
・床板や壁紙の裏側 4%
・トイレの貯水タンク 1%
約26%が引出しの中に隠している。−鍵付きのものであれば特に念入りに見るよ−とプロの空き巣の言。隠す当人は、どうやら金庫を連想して、安全だと思ってしまうそうだ。
一方、同じく約26%の人が、服の中や洗濯物の入ったカゴなど、服に関係するあらゆるものに紛れ込ませて隠している。
約20%が棚にある本の中に忍ばせるという隠し方をしている。これが、ロシアは「世界一読書家が多い」国と言われる所以であろうか。しかし本に隠した人のうちの70%が、本に隠したこと自体を忘れてしまったことが過去に1度でもあるそうだ。
ロシアで「貯金・貯蓄」という言葉にはよく「敷布団の」という形容詞がつく。それほど「金は敷布団の裏に隠す」という社会通念が浸透しているのかといえば、そうではないようだ。世代によって違ってくるようで、高齢者世帯だとまだこの常識は通じるが、若中年層になるとこの神話は崩れてくる。全体では約7%が敷布団の裏に隠している。
他には、6%が冷蔵庫や鍋類等々の、台所近辺に隠しているという結果が出た。
変わったところでは、約1%がトイレの貯水タンクに隠すのが最善と信じ込んでいる。
その道のプロによると、一番厄介なのが床板の下に隠されることだそうだ。床板を剥すのに騒がしくなって仕事ができなかったり、何より時間がかかる。いざ剥しても金が無いこともあるし、そこまで手間を掛けていられないらしい。この賢い方法を用いているのはわずかに4%という結果になった。