コメルサント紙 2007/07/30
ミハイル・ゴルバチョフ氏が再びコマーシャルに出演した。カトリーヌ・ドヌーヴ、シュテフィ・グラフとアンドレ・アガシ夫妻、そしてソ連邦最初で最後の大統領を主役とした、Louis Vuittonブランドの世界規模の広告キャンペーンが9月から開始されるのだ。ゴルバチョフ財団によると、広告の出演料は財団の出版事業に最優先でまわされるという。
Louis Vuittonブランドを展開する「LVMH」コンツェルンが用意した秋からの新しい広告キャンペーンでは、全世界の読者に「art du voyage(旅の芸術)」のコンセプトを伝えるべく、3点の広告を掲載する。 1枚目はホテルで抱擁しあうアガシ、グラフ夫妻、2枚目はプラットホームでくつろぐカトリーヌ・ドヌーブ、そして3枚目が、車の後部シートに座るミハイル・ゴルバチョフ氏である。
LVMHによると、ゴルバチョフ氏ら選ばれた有名人は人一倍、旅の貴重さというものを体現しているのだという。Louis Vuittonのマーケティングを担当するピエトロ・ベッカリ副社長は次のように述べている。「キャンペーンでは、人の一生における決定的な変容、といったものを暗示する“『わたし』の旅”というコンセプトを立てています。それ故、その人の名前から大きな変革が連想されるような、そういう人々を選んだのです」
撮影は6月にベルリンで行われた。ゴルバチョフ氏の出演料については、LVMH側もゴルバチョフ財団側も明らかにはせず、LVMHは出演料はすべて財団の運営費にまわされると述べるにとどまった。ロシアの大手広告代理店「Park Production」のアレクサンドル・ファルベル氏は、正確な額は推定できないとした上で、ゴルバチョフ氏の出演料を「数10万ユーロ」と見積もっている。
ゴルバチョフ氏が最初にTVCMにでたのは1997年のことで、この時出演した「ピザハット」のCM出演料は全額、財団のアーカイブと図書館の建物の購入費に充てられたという。
ピザハットのCMは西側諸国のために特別に撮影されたものだったが、今回のLouis Vuittonの広告はロシアでも掲載される。