ベードモスチ紙 2007/07/23
ロシアのマーケティング会社が、「モスクワっ子(モスクビチ)の中間層」というテーマで調査を行った。回答数は1072人。調査は、直接インタビューする形式で行われた。これまでも中間層をテーマとする調査はあった。しかし、そのいずれもが、回答者の収入が月に500〜700ドルと、「実情を反映していない」と言われてきた。今回は、より実状に迫るべく、モスクワ市の平均所得の2倍以上の収入がある層にターゲットを絞り調査が行われた。回答者の55%が、家族1人あたりの収入が1500〜1700ドル、19%が1700〜2000ドル、15%が2000〜3000ドルで、残り11%は3000ドル以上。以下、その結果である。
どの程度の収入があれば「モスクワでの中間層」と呼べるのか−この問いに対して、自らを中間層と考えているのは、家族1人あたり月額2000ドル以上の収入がある層だった。実際の収入が1500〜1700ドルの層は、2200ドルでなければ中間層とは言えないとし、1700〜2000ドルの層は、1月家族1人あたり2909ドルが必要と考えている。
中間層−それは収入の多寡だけでは定義できない。現代社会では、貯蓄水準や、職業、教育水準など様々な指標で判断される。例えば、回答者の76%は、モスクワの中間層は高等教育(大学卒業程度)を受けていることが必須条件だとしている。
貯蓄に関しては、複数回答で、銀行預金(74%)、外貨でのタンス預金(39%)、ルーブルでのタンス預金(35%)。貯蓄の目的は、将来の出費に備えて(66%)、不動産の購入資金(36%)、レジャーの出費(31%)、自家用車の購入(17%)、子供の教育資金(16%)となった。
ソ連時代の三種の神器は、「住宅、自動車、ダーチャ(郊外の別荘)」だったが、現在でも、まだまだ通用するようだ。
返答者のうち82%が、住宅を自己所有している。住宅の平均的な広さは70.4u。もっとも重要なのは「住宅を所有していること」で、80%は自分の住居に満足していて、住宅の質にはあまり拘らないと答えた。71%が、自動車の所有が中間層の絶対条件だとし、41%は、その自動車は高価な外国製の新車でなければならないと考えている。回答者の15%は1家族あたり最低でも2台必要だと答えた。また、ダーチャを中間層の必須条件としたのは、85%だった。