コメルサント紙 2007/07/25
世界最大の製薬会社で米ファイザー社が、今夏の終わり頃までに、ロシアへの自社工場の建設開始、もしくはロシアの薬剤会社の買収を発表するかもしれない。市場関係者はファイザー社が仏Servier社の例に倣い、工場をゼロから建設すると予想している。というのも、その方がおよそ二倍も安く上がるからだ。
ファイザー・ロシアのレジス・ロム社長は7月24日、インターファクス通信に対し、「現地生産をすることが魅力的かつ合理的であることに気づきつつある」と述べた。ロム氏はファイザー社が「ゼロから」の工場建設、ないしはロシアの製薬会社の買収案を検討していると明言した。
ファイザー・ロシアはコメルサントの取材に対しても、ロシアで現地生産を検討していることを認め、より詳しい情報は8月初めに発表すると約束した。ファイザーは「既存の生産設備の購入価格や、その改修にかかる大がかりな投資の必要性」を考えた時、ゼロから工場を建設する方がより実現性が高いとしている。
市場調査センター「ファーム・エキスパート」社によると、2006年のロシアの医薬品市場におけるファイザー社製品のシェアは2.59%。
世界の大手製薬会社がロシアに工場を建設するのは、ファイザー社が二例目である。
ロシアに最初に進出したのはフランスのServier社で、同社は2007年夏、4000万ユーロをかけてモスクワ近郊に生産施設(自社工場)を完成させた。
製薬会社の業界団体は、西側企業がロシアへの工場建設に関心を示しているのは、ロシアの製薬市場が急成長しているためだと説明している。調査会社RMBCの資料によれば、ロシアの医薬品市場は2007年第1四半期に40%成長して、約20億ドルに達した。