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ロシアのマクドナルドにライバル現る(要旨)

DP.RU 2007/07/16

アメリカ人だけではなく、ヨーロッパ人も、ロシア人にハンバーガーを提供することになりそうだ。ベルギーのファーストフードチェーン「クイック」が、ロシアに合弁企業「クイック・ロシア(Quick Russia)」を設立し、ロシアへの出店開始を宣言した。

クイック・ロシアの株式50%を握るのは、ロシアの有名デベロッパーの「タシール」社。同社は47の商業センター(総面積約400平方km)の他、高級チョコレートブティック「Daskalides」、シネマコンプレクス「Cinema Star」、ファーストフードのチェーン店「タシール・ピザ」「ケバブ・チューン」「チキン・ハウス」を経営している。

クイック・ロシアの残り株式は、欧州でファーストフートチェーン「クイック」を展開するベルギーの企業が保有する。クイックは、ベルギー、フランス、スペイン、アルジェリアで計414店を展開し、2006年の売上額は8億700万ユーロで、2007年には9億ユーロに達すると予想されている。

クイック・ロシアは、約1億ユーロを投資し、5年間で80店舗を出店する計画を立てている。1店あたりの投資額は25万ユーロになる計算だ。

「タシール」社では既存の47店に加え、更に30ヶ所に商業センターをオープンする計画を持っている。この構想ではかなり大規模な出店スペースが確保できる。こうした将来的な構想が、欧州の有力ファーストフードをロシアにひきつける要因となったようだ。

クイック・ロシアではタシール社の商業センターにテナントとして入るだけでなく、交通量の多い道路沿いに個別の店舗を新設したり、繁華街の建物にも店舗を展開していく。

「もうじき『クイック』1号店がモスクワ・セバストーポリ大通りの商業センター『RIO』に誕生します」「クイック・ロシア」のコンスタンチン・ソルダテンコフ社長によると、同社は2007年末までにカルーガ、ヤロスラブリ、トゥーラにも出店する計画だ。

クイックはマクドナルドと同様、ハンバーガーを主力商品としており、店のコンセプトは似通っている。しかしクイックはベルギーでマクドナルドのシェアを2位に抑え、フランスでもその背中に肉薄している。両社の客単価にも大差はなく、フランスでは6ユーロ、ベルギーでは5.8ユーロとなっている。ロシアでもクイックのハンバーガーの値段が、競争相手であるマクドナルドより安くなることはないだろう。

「『クイック』グループのジャン・ポール・ブライアー社長はモスクワで、ヨーロッパのチェーンが強力なアメリカのライバルと競争するには、急速に店舗を展開し、より高品質の商品とサービスによって顧客をひきつける必要があると述べました」とタシール社は語る。

「ロシアではどんなファーストフードチェーンであれ成功する可能性はあります。誰でもおなかはすくが、普通の『レストラン』で食事のできる人はそう多くないからです。とはいえ、チェーン店同士、大差がなければ、勝つのは疑いもなく、広告量の多いマクドナルドでしょう。新しいハンバーガーチェーンには独自性が、何か特別なピクルスやトマトといったような、華やかで視覚にうったえる、ライバルに差を付けるコンセプトが必要です。そうした場合にのみ、新しいファーストフードチェーンは成功を収めることができるでしょう」と、レストラン批評家で「ナザロフ&パートナーズ」社長、オレグ・ナザロフ氏は述べている。

 



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