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穀物はなぜ値上がりしているのか?(要旨)

DP.RU 2007/07/12

ロシアでは、毎年7月になると、穀物やパンの価格が下がる傾向がある。この時期、穀物農家は借入の支払期限を迎えるため、古い在庫を売り払おうとするからだ。流通量が増え、価格が下落する。製粉業者や飼料製造業者などは、これを当てにして仕入れをする−去年まではこのような構図だった。

しかし今年に限ってはそうでない。6月に穀物1トンあたりの価格が約3000ルーブルだったのに、7月に入った現在、約6000ルーブルにまで跳ね上がっている。

ロシア穀物協会は、価格高騰の原因として、主に次の3点を指摘し、価格の下落は期待できないと分析している。

・天候不良により、穀物備蓄量が世界規模で著しく減少したため
・世界的な人口の増加傾向
・米国に代表される国々が、年々バイオ燃料を増産していること

ロシアは、米国、サウジアラビア、モロッコ、グルジア、アゼルバイジャンなど、計50以上の国へ穀物を輸出している。今年から、ロシアから大量に穀物を輸入する国として、日本もそのリストに名を連ねた。輸出される穀物は、小麦、ライ麦、大麦、菜種などで、年輸出量は計1200万トンに上る。輸出量は今後も増加すると予測されている。

穀物の国内消費量も増加傾向にある。今年、鶏肉製造業者や養豚業者は、過去最高の業績を達成する見通しで、飼料となる穀物への需要も増えると予想される。その量は、1年の穀物生産量全体(7500-8000万トンと予想)の約半分の3500万トン程度。しかし、穀物の需要は増えても、供給が追いつかない。当然、農家もこのことをよく理解しているので、自分の作物を誰かしら無駄に渡すわけがない。高値になるのを待っているのだ。

ロシア農業省は、今年の秋頃には、1トン当たり4500ルーブルまで下がるという予測を発表した。仮にこれが現実になったとしても、今春に比べたら、50%も価格が上昇したことになる。専門家によると、今後、小麦粉、パン、マカロニなどの、ロシア人にとって重要な食料品の価格が、20-40%上昇するという。さらに、肉、牛乳、アルコール製品、ウオッカや植物油等の価格も、後を追って値上がりすることが予想される。



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