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ロシア一般家庭の紹介

ウラジオ郊外のエゴリエフさん一家紹介

夫/オレグ(56歳)塗装工
妻/ラリーサ(53歳)塗装工
長女/オリガ(19歳)秘書

エゴリエフさん一家はウラジオストクから1時間ほどの距離にある、ザボーツクという郊外の小さな住宅地に暮らしている。オレグとラリーサの仕事は塗装工で、壁のパテ埋めや塗装、下塗りや壁紙貼りといった、個人住宅の修繕を行っている。仕事は大変だが、収入は安定しており、オレグとラリーサはこの道一筋だ。二人が知り合ったのも、新築住宅の内装の仕事でのことで、以来、彼らはずっと一緒に暮らしてきた。

エゴリエフ一家は3部屋のアパートを所有している。以前は2部屋のアパートだったのだが、郊外の住宅価格はそれほど高くないので、彼らは5年前、追加分のお金を貯めて、3部屋のものに買いかえた。娘も大きくなって、自分の部屋が必要になってきたし、オレグとラリーサも自分たちの部屋が欲しかったところで、一家はこのアパートをとても気に入っている。毎晩、一家はリビング用の部屋に集まってテレビをみて、その日の思い出を分かち合い、誰か疲れて休みたいと思えば、自分の部屋にひきとって一人になることができる。オレグとラリーサはしばしば遅くまで仕事をし、疲れきって帰宅するため、静かに休むことのできる部屋が、一家では切実に必要とされていた。

娘のオリガはウラジオストクの会社で事務員として働いている。会社はPC技術の習得コースを開いており、彼女の仕事は電話や顧客の応対をし、クラスを編成し、時間割を決めることである。月給は1万5000ルーブル。ウラジオストクに住宅を借りるのは現在非常に高くつくので、オリガは毎日、ザボーツクからウラジオストクまで通っている。1日に何本か定時のワゴンタクシーが通っていて、所要時間は1時間ほどである。これは1時間半かかる通常のバスを利用するより早くて、快適だ。ワゴンタクシーの運賃は片道60ルーブルで、ウラジオストクまで通うのに、毎月往復で3000ルーブルほどかかる。

オレグとラリーサは、アパートの修繕を請け負う建設作業班で働いている。仕事は大変だが需要が多く、作業班には注文が絶えない。仕事は大抵アルチョム市で行われ、時折、ナデジデンスク市やノーブイ区といったところからも注文が入る。仕事の難易度と量にもよるが、彼らは1万5000〜2万ルーブルを受け取っており、これは田舎(小さな住宅区)に暮らす者にとっては、悪くない収入だ。

一家では、季節にもよるが、約2000〜4500ルーブルが公共料金の支払いに、約2000ルーブルが日用品(石鹸や歯磨き粉、粉洗剤やシャンプーなど)に支出されている。月々の食費は1万2000〜1万5000ルーブルで、夏季は新鮮な野菜や果物がいつでも安く手に入るため、食費も少なくすむ。もちろん、もっと食費を抑えることもできるのだろうが、家族は皆働いていて、毎日食事の支度をする余裕がない。一家はしばしば調理済みの惣菜を店で買うので、これが大分食費支出を大きなものにしている。オリガは自分の給料から、両親に毎月5000ルーブルを渡している。残ったお金は必要なものに費やされるが、貯金するように心がけている。

オリガはシーズンの変わり目毎に、ショッピングと休暇を兼ね、中国にでかけている。9月にはラリーサを連れてスイフンヘ市にでかけた。距離的に近いこともあって、沿海地方の住民は、ほとんど誰でも中国に行ったことがあるが、ラリーサは今回が初めてで、当初、町や市場の雑踏と喧騒に驚いた。しかし中華料理やマッサージ、サウナがとても気に入ったという。

ラリーサは今、夫を連れてハルビンに、中国の新年観光に行きたがっている。彼女は前々から休暇を延期していたが、時間がとれずにいた。夏はオレグやラリーサにとって、特に仕事が多い時期だが、冬はそれほどでもないので、旅行をするにはうってつけだ。(2007年10月)

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