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ロシア一般家庭の紹介

沿海地方アルセーニェフのミネエフさん一家紹介

夫/ピョートル(50歳)無職
妻/バレンチナ(48歳)食品会社勤務
次女/リュドミラ(19歳) 産休中(商店勤務)
リュドミラの夫/セルゲイ(21歳)商店勤務
リュドミラの長女/クリスチーナ(1歳)

ミネエフ一家はアルセーニェフで暮らしている。夫妻は市内にある航空機工場に勤めていたが、まずバレンチナがリストラされ、まもなくピョートルもやめざるを得なかった。給料が支払われなかったため、別の仕事を探さないといけなかったからである。バレンチナは退職後、しばらく仕事を転々としたが、ようやく食料品倉庫番の職に落ち着いた。交代制のため、2日続けて働かねばならず、楽な仕事ではないが、給料が安定し、会社から卸価格で食料品を購入できる特権があるので、今の仕事を続けるつもりである。ピョートルはまだ新しい仕事を見つけられず、臨時の仕事でしのいでいる。アルセーニェフであるのは、市場や駅での荷物運びくらいなもので、主に夜働いている。ピョートルは、古いワゴン車を持っているので、これを使ってアルバイトをしている。この車は、仕事にも家族が出かけるのにも使えるので、とても重宝している。時折、ウスリースクやウラジオストクの市場に野菜を売りに出かける知人を乗せていくこともあり、こうした仕事でもわずかながら、収入を得ている。

約1年前、一家に不幸があった。長女のナターリヤが交通事故で帰らぬ人となったのである。道路を横断しようとして事故にあった。妊娠8ヶ月だった。この事故で、家族は悲しみに打ちひしがれ、彼女の夫は別の場所で暮らすためにアルセーニェフを出た。この街にいると彼女とおなかの子供のことをどうしても思い出してしまうからだという。家族全員が悲嘆にくれていたが、次女のリュドミラに待望の娘、クリスチーナが誕生したことで、ようやく笑顔が戻り始めた。リュドミラは高校卒業後、近所の店に就職し、そこで夫となるセルゲイと出会ったのである。セルゲイは、リュドミラが妊娠したことが分かると、文字通り、人の2倍働き始めた。今では3交代制の勤務のうち、2交代の勤務をこなしている。体力的にはきついはずだが、家族のため懸命に働いている。

一家は市内にある2DKのアパートで暮らしている。5人で暮らすのはとても窮屈に感じられるが、リュドミラが働きに出られないので、今のところ、別のアパートを借りることは考えていない。

バレンチナの月給は6500〜7000ルーブル(約24,700〜26,600円)、セルゲイの月給は約8500ルーブル(約32,300円)、ピョートルは月に約2000〜5000ルーブル(7600〜1万9000円)を稼いでいる。食費は8000〜9000ルーブル、雑費が1500〜2000ルーブル、光熱費やアパートの管理費が2000ルーブルである。

一家は決して裕福な暮らしをしているわけではないが、家族の誰一人として、境遇を嘆いたりはしていない。なぜなら一番大事なことは、家族がみんな元気で健康に、いつも一緒に暮らせることだということを理解しているからである。(2005年10月)

 

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