フォーブス誌が3月8日の国際婦人デーを前に、ロシア市場で活動する大企業のトップを務める女性20人のリストを発表した。3月3日付で同誌が伝えた。
ロシアでも年々、女性の企業幹部は増えているものの、その増加率はあまり伸びておらず、2024年、国内のCEO(最高経営責任者)のうち女性はわずか6%で、しかも大半は中小企業で働いている。
リストには、フォーブス誌のランキング「純利益でみたロシア企業トップ100」、「ロシアの投資企業トップ70」、「ロシアの外資系企業トップ50」、「最も資産価値の高いロシアのネット企業30」、ロシアの優れた雇用主ランキング「ゴールド」と「プラチナ」に入っている企業のトップが選ばれた。これらのランキングには様々な業界の企業が含まれており、2024年と2025年に更新された。対象はロシア国籍者である代表取締役、社長、取締役会長を務めている女性で、会社を代表して発言したことがある、当局と関わりがある、業界の各賞にノミネートされたことがあるなど、何らかの形で社会的に注目された者が選ばれている。人名はアルファベット順。
1.アンナ・アキニシナ
サモリョート代表取締役
小売大手マグニトやX5等で幹部などを務めた後、2023年に財務取締役として建設大手「サモリョート」に入社。2024年上半期、グループの売上は前年同期比69%増の1708億㍔と過去最高を記録。この年11月に同氏は代表取締役に就任した。同社は現在進行中の建設案件の規模で国内1位。従業員数は1万人。
2.インナ・バクメンコ
アボット・ラボラトリーズ・ロシア代表取締役
医学と経営学の学位を持ち、製薬業界で20年以上働いてきた。米ヘルスケア大手Pfizer Upjohnのロシア部門を率いていたが、2019年に米国の同業Abbottのロシア子会社代表取締役に就任。Abbottはコロナ禍の2020年、COVID-19の抗体検査、翌年にはその簡易検査の販売をロシアで開始した。2021年には同業「ベロファルム」の工場内に研究所を開設。2023年に同氏は専門誌「医薬品通報」の「医薬品市場の最も影響力のある人物ランキング」に入った。
3.アンナ・ボチカリョワ
サンド・ロシア代表取締役
製薬大手の仏Sanofiに入社し、業界で18年働いてきた。2017年にスイスの同業Sandozのロシア法人に処方箋薬部門のマーケティング担当ディレクターとして入社。2020年に「ロシアのマネージャー(経営者)トップ1000」(マネージャー協会とコメルサントが毎年発表)に選ばれた。2023年に同社の代表取締役に就任。
(後略)
週刊ボストーク通信1572号より