「極東のカニ王」と呼ばれた水産実業家カン氏に対し、違法なカニビジネスを行っていたとして約3600億㍔の支払いを命じる判決が下された。3月21日付でコメルサント紙が伝えた。
3月21日、沿海地方商事裁判所がカン氏とその関係者や関連企業に対し、3587億㍔の支払いを命じる判決を下した。検察によれば、同氏は韓国籍を持つ外国投資家であり、韓国企業Olves Co., Ltd及びパートナーらと共に(漁業を行うことが禁止されている)外国投資家であることを隠しながら、2019~23年にモネロン、クリル総合コンプレクス、沿海漁業会社、アクアマリン、セブルィブフロート、プリボイTといったロシア法人を通じて漁獲枠を保有し、水産物を漁獲した。これによりロシアは上記の3587億㍔の損害を被ったという。
カン氏の弁護士は、外国投資家による漁獲枠の保有が禁止されたのは2023年になってからであり、それ以前は違法ではなかったと指摘し、そもそも保有する漁獲枠はかつて金銭を支払って取得したものであり、国に損害は与えていないと主張した。
また、弁護団は、カン氏は2023年2月に英国で死亡したので、裁判を終了すべきだと述べた。連邦公証人会議所のサイトに同氏の遺産相続手続きが始まったとの情報があるため、公証人にその情報を裁判所に提出させるべきだという。(中略)
沿岸漁業者地域間協会のバラショフ会長は、「カン氏は小さな密漁業者たちを一掃してビジネスを発展させた人物であり、極東の水産業のスターだった。その後、彼の資産がどうなったのかはコメントできない。業界では誰も正確に知っている者はおらず、当局の役人しか分からないことだろう」と述べた。(3/21)
(週刊ボストーク通信1525号より)