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ロシアでJCBカードの発行が開始

 ガスプロム銀行とスビャジ銀行(対外経済銀行グループ)が3月から、日本のJCBと提携したデビットカードを発行することを相次いで公表した。JCBのロシアCIS法人「JCB International Eurasia」では、2017年までにロシアで約300万枚のカードを発行する計画を立てている。3月6日付でRBC Dailyが伝えた。
 JCBのロシア市場進出は3年前に決定が下されていたものの、市場関係者によると、米ビザ及びマスターカードの2大ブランドが席巻する中、ロシアの金融機関は当初は提携に消極的だったという。しかしこうした状況は2014年3月、欧米による対ロシア金融制裁が発動し、商銀「ロシア銀行」と「SMP銀行」によって発行されたビザ及びマスターカードのカード決済取引が封鎖されたことで一変した。政府が国家決済システム(NSPK)の設立を急ぎ、金融機関各社が両カードの代替となり得る国際決済システムを探し始める中、JCBと中国銀聯(China UnionPay)が選択肢として浮上し、早くも4月にはボストチヌィ・エクスプレス銀行が銀聯とカード発行合意を締結、9月にはガスプロム銀行でも銀聯カードの発行が開始された(中国銀聯は今後3年間で約200万枚の銀聯カードをロシアで発行する計画を立てている)。
 今のところJCBにとって最大の強みとなっているのは、欧米の追加経済制裁が発動した際、カード決済を凍結されるリスクを抑えることができるという点である。とはいえ、今後はビザ、マスターカードの両社もNSPKと提携契約を結ぶ見込みであるため(3月31日までに契約を結ばなかった場合、ロシア国内でのトランザクション取引ができなくなる)、4月以降は追加制裁が実施されたとしても、両社の決済が凍結されるのはロシア国外でのみとなる。(後略)(3/6)
(週刊ボストーク通信1084号より)




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