ロシアから欧州へ向かうガスパイプライン(PL)「サウスストリーム」(SS)の建設中止を受けて、トルコ経由となった新ガスPL「トルコストリーム」のトルコ国内のルートが確定した。2月7日にはガスプロムのミレル社長とユルドゥズ・トルコ・エネルギー天然資源大臣が敷設ルートの上空視察を行なった。同日付でガスプロムが伝えた。
敷設ルートは既存のPL「ブルーストリーム」とは異なり、アンカラを通らず黒海南西部沿岸の都市キイキョイから陸上に入る。陸上ではギリシア国境のイプサラまでの180kmが敷設される。SSと同様に4本のラインが敷設される予定で、海底部分のうち660kmはSS用に予定されていたルート、その他に250kmがトルコ向けの新ルートとなる。トルコ領海内の海底部分の敷設のための調査が許可される。年間輸送能力は630億?だが、イスタンブールで需要が増大していることもあり、ギリシア国境を越えて供給されるのは470億?。第1ライン(年間輸送能力157億5000万?)の完工は2016年12月を予定しており、全てトルコに供給されるという(1月27日付ガスプロム)。
(中略)
2月4日、欧州委員会のシェフチョビチ副議長は、トルコストリームは経済的に非合理であり、サウスストリームの建設再開についてロシアと交渉すべきであると述べた。一方、ロシアのノバク・エネルギー相は、1月20日、ECに対し「トルコストリーム」の建設決定は最終的なもので、ECは欧州の消費者のためギリシア国境の新たなハブからのインフラ整備が必要であると言明している(2月4日付ベドモスチ紙)。(2/7)
(週刊ボストーク通信1081号より)