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ロシアで旅行会社の倒産相次ぐ:海外旅行の収益率が減少

 ロシアでは例年、夏の休暇旅行のシーズンは旅行会社の倒産のシーズンでもある。今年は欧米との政治的な対立や経済の減速を背景に、倒産の波は大手会社にまで及んで問題となっている。8月5日付でベドモスチ紙が伝えた。
 7月中旬、大手旅行オペレータ会社「ネバ」が倒産し、海外にいた顧客7000人と既にツアー代を前払いしていた1万6000人がサービスを受けられなくなった。8月初めには、別の大手オペレータ会社「ラビリント」が倒産し、海外の2万7000人と前払い済みの2万人以上が同様の被害を被った。被害を受けた顧客に対しては、業界団体が補償金を支払う。近年では2010年にカピタル・ツアー(被害者8000人)、2012年にランタ・ツアー(同6000人)の倒産が話題になり、旅行会社は全体的に信用が落ちているため、十分な保険をかけられず自力で被害者への補償金を支払えない場合もある。
 今回の倒産は規模が大きく、メドベージェフ首相は政府会議で「市場が崩壊状態になっている」と指摘し、倒産した旅行会社はねずみ講のような無責任な経営をしていたと非難した。倒産したネバ、ラビリント、エクスポ・ツアー、世界風配図、イデアル・ツアーの各社に対しては、サービスを履行できないことを知りながらツアーを販売したとして、検察当局が刑事訴訟を起こした。ネバのチムラリエフ取締役会長は、代金の前払いは業界では当たり前のルールなので違法行為ではないと主張している(8月8日付ベドモスチ紙)。(後略) (8/22)

(週刊「ボストーク通信1057号より)




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