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ロシアの格安航空「ドブロリョート」第1便、クリミアへ

 6月10日、国営アエロフロートが設立した格安航空会社(LCC)「ドブロリョート」の第1便が、モスクワからシンフェロポリに向けて出発した。同便にはメドベージェフ大統領も搭乗し、同社の機体の視察も行なった。同日付でロシア連邦政府サイトが伝えた。
  「ドブロリョート」は昨年10月4日に登録されたアエロフロート傘下のLCCで、機体には単一クラス仕様(189座席)のB737-800NGを使用。同社は機材を2014年末までに8機、2018年までに40機に拡大する計画だという。
  現在は1日4便のモスクワ(シェレメチェボ)〜クリミア(シンフェロポリ)線のみだが、年内にモスクワからペテルブルク、アルハンゲリスク、カザン、ペルミ、ボルゴグラード、サマラ、チュメニにも就航する予定。2015年にはさらに20路線(クラスノダル、ソチ、エカテリンブルグ、ニジニ・ノブゴロド、ミネラリヌィエ・ボドゥイ、ウファ、カリーニングラード、アナパ、マハチカラ、アストラハンや、ペテルブルク発のサマラ、エカテリンブルグ線)が加わり、2016年から国際線にも参入する。当初はCIS諸国(キエフ、オデッサ)に、その後、東欧やバルト3国(エレバン、バクー、プラハ、リガ)、さらに2018年には西欧や中東(バルセロナ、イスタンブール、テルアビブ)にも路線網を拡大する。
  アエロフロートのサベリエフ代表取締役がメドベージェフ大統領に語ったところでは、新事業にアエロフロートは1億jを投入し、2年目には黒字化するという。単一座席配置や単一機種構成、機齢の若い機体の使用、有料サービス、払い戻し不可のチケット(ロシアでは今月21日から販売が可能となった)、100%オンライン販売などの点で同社は欧州最大のLCC「ライアンエア」(アイルランド)と共通しているとのことだ。しかし、規模の点ではライアンエアには及ばない。ライアンエアは2013年度、8170万人の乗客を輸送し、保有機材数は279機、搭乗率は83%。対する「ドブロリョート」は5年後に40機のB737-800で年間1000万人(親会社のアエロフロートは3140万人)の輸送を計画しており、「ライアンエア」と同様の搭乗率だと1150万人、仮に搭乗率100%なら1380万人となる。その場合、「ドブロリョート」は運航する45路線に1日4〜5便を飛ばす必要があるが、これが実現できるかは不明だ。現在、同社の保有機材数は2機、8月にさらに2機が加わるという。(中略)
 アエロフロートによれば、「ドブロリョート」が最初の就航先としてシンフェロポリを選択したのは、ロシアのその他の地域とクリミアとの交通面での統合に寄与するためとのこと(6月11日付ロシイスカヤ・ガゼータ紙)(6/11)

(週刊「ボストーク通信1048号より)



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