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ロシア極東を襲う大洪水:アムール川流域等で被害

 極東のアムール州、ユダヤ自治州、ハバロフスク地方、沿海地方の4地方では、アムール川流域の大雨による洪水の被害により深刻な経済的ダメージを受けている。また、アムール州内では水力発電所がダムの放流を余儀なくされたため、いまだ下流域地域の水量はひかず事態は収束していない。各社の報道をまとめた。
●7月23日、数日来降り続く激しい雨に見舞われたアムール州は非常事態を宣言した。その後、31日の豪雨により同州の主要水路であるゼヤ川、ウルカン川の氾濫によりイワノボ村の100家屋が浸水、150人が避難した。 (中略)
●8月13日 アムール州が損害額の見積りを30億ルーブルと発表。被害の大きいゼヤ地区イワノボ村では住宅172棟中、150棟が全壊もしくは半壊、ブラゴベシチェンスクでは湖が氾濫し、2418人(806世帯)が浸水の被害。25万ha以上の穀物及び大豆畑、家畜用飼料も冠水。
●8月14日 ダム決壊の可能性が現実味を帯びてきたため、極東最大規模のブレヤ水力発電所が放水を開始。16時時点のブラゴベシチェンスク地区でのアムール川の水位は808cmだったが、一晩で20cm上昇した。ベラゴリヤ地区ではゼヤ川の水位は26cm上昇した。(中略)
●8月17日 プーチン大統領がビデオ会議を開催し、洪水の被害状況の報告を求める。
・シポルト・ハバロフスク地方知事:街から水はひきつつある。住民のパニックはなく、感染症対策も行なった。同地方内ではおよそ3万人が何らかの被害を受けた。農地のおよそ9%にあたる9400haが被害を受けた。家畜に被害は出ていないが飼料は冠水した。避難所の物資や食糧は足りている。
・ビンニコフ・ユダヤ自治州知事:アムール川の水位は上昇を続けており緊張状態が続いている。ビロビジャン市では、家屋324棟に2760人が取り残されている。
・コジェミャコ・アムール州知事:農地への被害が甚大。ロシア国内生産量の51%をしめるアムール州の大豆耕作地の約半分にあたる41万8000haが浸水。その他、多くの農機や建機が流され農家の被害額は計り知れない。
  この他、ノバク・エネルギー相、プチコフ非常事態相、ドド・ルスギドロ理事長、バヒン国防省次官、スクボルツォワ保健相が報告を行った。(8/17)


冠水する道路 (アムール州政府サイトより)

(週刊「ボストーク通信1007号より)




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