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三井物産がロシアのサハリンで風力発電の試み、試験実施へ

 三井物産は2月2日、サハリンの風力発電発展に関する協議を同州政府内で行った。同日付でサハリン-クリル情報通信社が伝えた。
 風力発電の試験場所として選ばれたのはコルサコフ地区のノビコボ村。ここに高さ34mの柱を間もなく設置する予定で、風速、風向き、温度などを測定し、それらのデータを加工・分析していく。風力発電装置の建設開始に先立ち、この地で1年間の風力資源調査を行い、事業の妥当性を評価する。
  本事業の目的は、ディーゼルと風力発電所を建設して代替エネルギー源を利用することにより、燃料コストを縮小しようというもの。日本側では、今回のノビコボ村の風力発電事業が成功した際には、同州内の他の地域でも同事業を拡大していく意向。一方、同州政府のコトワ投資・対外関係相は「サハリン州にとって革新的な事業となる本案件には、日本企業以上にロシア企業も関心を持っている」とコメントしている。
 なお極東では、2009年よりウラジオストクのルースキー島及び隣島ポポフ島で風力発電計画(最大出力3万6000キロワット)が進められ、日本からも三井物産やJパワーが風力測定機器の設置で協力していたが、同事業実施企業の親会社「ルスギドロ」は昨年、経済効率の悪さと中央政府からの資金援助不足を理由に計画を中止した(1月17日付ゾロトイ・ログ紙)。
 これとは別に、昨年9月にはクリル諸島発展・サハリン州投資プログラム発展局長が、2012年より国後島ゴロブニノ町で風力・ディーゼル発電所の建設を開始し、翌13年には稼動する計画を発表している。


(週刊ボストーク通信932号より)




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