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ロシアの極東からモスクワへ冷凍貨物のトラック輸送が盛んに

 水産冷凍貨物をトラックでモスクワまで輸送するサービスが広まっている。これにより、これまで独占的な輸送手段だった鉄道は競争を強いられることになる。9月27日付でFishnews.ruが伝えた。
  ウラジオストク港水産ターミナル内で営業冷蔵庫を運営する有限責任会社「ダリルィブポルト」のタラバエワ代表取締役によると、2年前にはシベリアのイルクーツクまででさえ水産冷凍貨物を鉄道以外の手段で輸送することは難しかったが、今年はモスクワまでトラックで運ぶようになったという。
  ロシアでは2010年にチタ〜ハバロフスク間で自動車道路「アムール」が開通し、極東から西側までロシアの東西が舗装道路で結ばれた。これを受け、極東の小売・家電生産・物流大手V-Lazer Group傘下の物流会社VL Logistic(VLL)が長距離トラック輸送サービス「アムールプロジェクト」を始めている。同社サイトによれば、ウラジオストク〜モスクワ間の運賃は1kgあたり18ルーブルから(ドライ貨物、最低ロット3d以上)(本誌936号に関連記事)。
  ダリルィブポルト社のタラバエワ氏によれば、冷凍水産品のトラック輸送は鉄道輸送よりも安くて速いという。「冷凍鉄道輸送サービスを発展させないと今に客がいなくなるということを私たちは5年前から言っていた。今ではトラックではモスクワまで6日で着くが、鉄道では最短でも17日かかる。トラック会社は保有台数を増やし、カバーエリアを拡大し、帰り荷も集められるようになったので、料金を下げてきている。他方鉄道会社は、冷凍水産品を運ぶのは年間3ヶ月しかなく、繁忙期に稼がねばならないため料金を下げられない。鉄道は多くの顧客を失うだろう。特に極東の水産品の集荷・決済窓口となっている極東鉄道にとっては厳しくなる」とタラバエワ氏。ダリルィブポルト社では鉄道輸送の料金を抑えるため、今年になって自社でも冷凍貨車を購入した。(後略) (9/27)

(週刊「ボストーク通信965号より)




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