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ロシアのメドベージェフ首相が国後島を訪問、2010年以来2度目

 メドベージェフ首相は7月3日、北方領土の国後島を訪問した。2010年11月以来の再訪となる。同日付でロシア連邦政府サイトが伝えた。
  7月2日から極東各地を訪問中のメドベージェフ首相と閣僚の一行(本号2頁に関連記事)は3日午後(現地時間)、国後島のメンデレエボ空港に到着した。首相は自身のツイッターで、「国後島。ロシアの果ての地だ。天候により着陸に15分の時間を要した」と書き込んだ。
  島内では水産工場や建設中の港湾ターミナル駅、中央地区病院を視察。ユジノクリリスク水産工場のコロブコフ代表取締役は、2年前のメドベージェフ氏の訪問後、工場では冷凍トロール船などの設備を導入したことや、また、クリル諸島発展の連邦特別プログラムの枠内で大水深の埠頭が建設され、深喫水船を受け入れられるようになったことも工場の発展につながったと話した。中央地区病院では、病院側の希望として医療機器の購入や職員の給与問題に耳を傾け、保健分野担当のゴロジェツ副首相とホロシャビン・サハリン州知事にそれぞれ対応を指示した。その後、更に建設中の聖堂や、食料品店を見学した後、同日夜にはカムチャツカ半島に移動した。聖堂の建設労働者らと写真撮影をしたメドベージェフ氏は彼らの質問に対し、「(クリル諸島は)我々の領土。一寸足りとも渡さない」と答えた。
  メドベージェフ氏の国後島訪問は、2010年11月の大統領職時代以来2度目となる。当時はロシアの国家元首として初めて北方領土を訪問したことで、日本側から強い抗議を受け、日ロ間の領土交渉が行き詰まった経緯がある。また前回の訪問時にメドベージェフ氏は、これらの島の再訪を約束していた(7月3日付イタルタス通信)。
  今回の北方領土訪問について、当初は択捉島が予定されていたが、直前になり行き先が国後島に変更。メドベージェフ首相自身は5日、記者らに対し、同地域は天候が変わりやすく、最初は飛行機が着陸できないほどだったが、突然「晴れ間が出た」と話している。
  ロシア首相の国後島再訪に対し、日本政府は改めて強い不快感を表明。日本外務省も在日ロシア大使を招致し、抗議を行っている。
  これらの日本側の反応について5日、メドベージェフ首相は記者会見で、「自分にとってはどうでもよいこと」と回答。会見の最後には記者らに対し、「(北方領土を)次に訪問するときには、皆で一緒に行けるようにしたい」と同行を呼びかけた。 (後略)

(週刊「ボストーク通信953号より)




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