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ロシア極東のSKhVガスパイプラインで不具合が多発、電力会社へのガス燃料供給に支障

  昨年9月に始動したサハリン-ハバロフスク-ウラジオストクのガスパイプライン(SKhVガスパイプライン)で不具合が相次ぎ、電力会社などへの供給に支障が出ている。地元当局やメディアが工事に欠陥があったと非難する一方、元請はこれを否定している。5月17日付でベドモスチ紙が伝えた。
  サハリンのガス鉱床からハバロフスクを経由してウラジオストクのルースキー島まで結ぶガスパイプライン(総延長1830km)は昨年9月に第1期が始動。しかし今年1月、一部の区画でハイドレートプラグ(管内の水和物が氷結して堆積し、流れを塞ぐ現象)が生じ、その除去作業中に火災も発生。負傷者や機器の損傷こそなかったものの、関係者によると、その後4月までの間に様々な区画でハイドレートプラグによる問題が6回以上発生しているという。
  この結果、電力会社などへのガス供給に支障をきたす事態に。地元電力の極東発電会社は、発電燃料を重油からガスに切り替えるガス化事業を推進しており、必要なガスをSKhVパイプラインから調達することになっていたが、供給の遅れや供給量の縮小により重油の使用を余儀なくされているとして、パイプライン所有者のガスプロム(運営事業者は「ガスプロム・トランスガス・トムスク」社)を批判。
  今年1月にパイプライン不具合の調査を命じたイシャエフ全権代表はその原因につき、「(専門家の事前調査では)不適切な敷設工事の作業によるもの」とコメント。16日付のインタファクス通信も、「APECサミットに間に合わせるための突貫工事」の中で無理があったと指摘。一方、それぞれの区画で敷設を担当した元請業者らは、「我が社の担当区画ではハイドレートプラグの現象は起きていない」(ストロイガスモンタージュ社)、「最後の不具合は4月に解消し、今は問題がない」(ストロイガスコンサルティング社情報筋)と、工事の欠陥を否定している。(後略)

(週刊「ボストーク通信946号より)




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