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ロシア沿海地方で切断中古車の取り締まりが強化

 5沿海地方で中古車輸入関税の高額な支払いを回避するための切断自動車の通関及び手続に対し、交通当局の締め付けが厳しくなってきている。5月2日付でPrima Mediaが伝えた。
  日本車などの中古車輸入が盛んな沿海地方では、2009年初より引き上げられた中古車両関税への対抗策として、車体を切断し「部品」の名目で通関させることで高額の関税支払を免れる方法が行われている。切断した車体は「ラスピルィ(切断)」と呼ばれ、通関後に各業者が溶接で再び接合させて塗装し、見た目は一般車と変わりない状態として、購入者に販売されている。この現状について、ラスピルィ車の強度を懸念する意見のほか、通関後の車両登録に際して書類を偽造する違法行為も問題視されている。
  4月下旬には、ロシアの犯罪構造を独自に捜査するシリーズ番組「正直な刑事」(全国チャンネル「ロシア1」)で、ラスピルィ車に関連する違法行為の特集が放送された。番組では、日本の中古車の通関を行う税関職員やその後の車両登録を担当する道路警察職員の汚職構造を暴露。番組の記者によると、違法手続きに関わっていた沿海地方道路警察の職員140名以上が解雇されたという。
  道路警察ではまた、不正な車両登録を経たラスピルィ車の摘発に努めている。沿海地方道路警察の技術管理及び登録・試験業務部のチホノフ副部長によると、登録抹消件数は2009年には5台に過ぎなかったものが、10年には57台、11年には140台に達し、今年は年初から53台を摘発。現時点では、「ラスピルィ車」の疑いがあり検査待ちとなっているものが更に1300台以上あるという。
  ウラジオストクの中古車市場「グリーンコーナー」は、ラスピルィ車の取り扱いも多く、これが昨今の市場の評判を貶めている一因に。しかし地元メディアのゾロトイ・ログ紙では、ラスピルィ車が犯罪視されるのは、通関や道路警察の手続きで賄賂による見逃しが横行しているためであり、市場の片隅では、普段と変わらずラスピルィ車をはじめとする接合・修理作業が堂々と行われていると述べている(4月30日ゾロトイ・ログ紙)。(後略)


(週刊「ボストーク通信945号より)




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