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ロシアで新規格の地デジ放送が開始も、対応テレビの供給が遅れる

 3月、ロシアの一部の地域では新規格DVB-T2の地上波デジタル放送が開始されたが、対応するテレビや受信機の供給が遅れている。3月27日付でイタルタス通信が伝えた。
  ロシアではこれまで地上波デジタル放送は規格DVB-Tで行われていたが、3月1日からカザンで、3月19日からはモスクワとサンクトペテルブルクで次世代規格DTV-T2に移行した。移行によりネットワークの容量は30〜50%拡大される。
  しかし今回の新規格への移行後、多くの視聴者のテレビで受信ができなくなり、当局へのクレームが相次いだ。DTV-T2対応のテレビ及び受信機は、ロシアではまだわずかしか供給されておらず、しかも現在のところ対応機種は高価格帯に限られている。供給が遅れた原因は、通信・マスコミ省が新規格対応機器の技術要件を決定したのが2011年12月30日と極めて遅かったため(3月26日付コメルサント紙)。3月27日、同省のマリニン次官は対応の不手際を認め、1〜3週間以内にサンクトペテルブルクのフィリップス及びシャープの生産工場で対応テレビの量産が始まると伝えた。大手家電量販店では、現在は対応テレビの在庫は少ないが、4月以降はパナソニック、サムスン、LGのテレビや、露ゼネラル・サテライトなどの受信機が順次入荷する予定となっている。
  他にも、韓国Humaxや中国メーカーらがチューナーの現地生産を検討している。調査会社J’son & Partnersによれば、昨年のロシアにおけるデジタルチューナー(セットトップボックス)の販売台数は衛星放送用が160万台、ケーブルテレビ用が30万台、IPTV用が60万台(3月14日付Digit.ru)。(後略)

(週刊「ボストーク通信940号より)




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