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ロシア極東で医療制度の拡充が進む

 年末から年始にかけてロシア極東の多くの地方が医療制度の拡充に関する発表を行なった。各地の発表を元にまとめた。(1/14)
・沿海地方:地方プログラム「2011〜2012年の沿海地方の保健近代化」の枠内で医療施設の改修や設備の更新(予算約30億ルーブル)、標準的な医療サービスの普及と外来診療の利便性向上(同25億ルーブル以上)、情報システムの発展(同3億ルーブル)、医療関係従事者の給与改善等を進めていく見通し。財源は連邦予算から約59億ルーブル、沿海地方及び各自治体予算から約3億5000万ルーブル、強制医療保険基金から4億5000万ルーブル以上が充てられる。このプログラムは現在、連邦保健社会発展省で調整中となっている。また、ウラジオストク市は地方自治体プログラム「2010〜2012年のウラジオストク市の保健施設へのレントゲン設備の配備」の枠内で、遠隔操作式レントゲン設備やデジタル式またはフィルム式レントゲン設備を購入し、市内の診療所で使用されている旧式のものと交換していく。(1月13日付沿海地方政府プレスリリース、1月14日付ウラジオストク市政府プレスリリース)
・サハリン州:地域プログラム「2011〜2012年のサハリン州の保健近代化」の枠内で約60億ルーブルの資金が拠出され、保健施設の改修(10億ルーブル以上)、新たな設備の購入(17億ルーブル以上)、標準的な医療サービスの普及、3つの癌センターの開設等が進められる。(12月28日付インターファクス通信)
・カムチャツカ地方:地域プログラム「2011〜2012年のカムチャツカ地方の保健制度の近代化」の実現のために、連邦予算から19億7000万ルーブルの支援を受ける。これは同地方の毎年の保健制度予算の3分の1に当たるという。(12月29日付インターファクス通信)
・アムール州:昨年12月、州内の癌診療所にオランダのメーカー・フィリップスの16スライスBrillianceコンピュータ断層撮影(CT)スキャナが設置された。癌検診用のCTスキャナは極東ではまだ数が少なく、1月 13日にはコジェミャコ知事が診療所を視察した。新たに導入されたCTスキャナの価格は3800万ルーブ ルで、診察室の設備には100万ルーブル以上の費用がかかった。ブラゴベシチェンスク市病院用に購入されたもう1台のCTスキャナの価格は2100万 ルーブルだった。コジェミャコ知事によれば、アムール州では医療制度の拡充は癌分野、外傷・災害外科分野、心臓血管分野でそれぞれプログラムが進められており、連邦予算から約33億ルーブルが割り当てられることが決まっている。(1月13日付アムール州政府プレスリリース)
・ハバロフスク地方:2012年末までに癌診療所を建設することが決定されており、同診療所の外科部門の建設に最大3億ルーブルの予算が割り当てられる(12月28日付ハバロフスク地方政府プレスリリース)。ちなみに、ハバロフスク地方は癌医療に関して鳥取県との協力を検討している(本誌874号に関連記事)。

(週刊ダーリニ・ボストーク通信880号より抜粋)




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