トウモロコシと大豆栽培を行なう現代ホロリアグロ(沿海地方)の資本33.33%を所有する韓国の造船大手・現代重工業が、沿海地方企業の所有する農地を購入して、同社にとってはロシアで2つ目となる農業企業「現代ミカハイロフカアグロ(Hyundai Mikahailovka Agro)」を設立する計画を発表した。ウラジオストクの北方150kmの6700haの農地で、2012年から豆など合計7000dを生産する計画。また、現代重工業は、今後3年で1300万jを投資し、2014年までに年間売上375万jの達成を目指す。9月20日付で現代重工業プレスリリースが伝えた。
現代重工業は2009年に沿海地方に農地を持つ有限責任会社ホロリ・ゼルノ(ホロリ地区ボズネセンカ村)の株式67.6%を取得(本誌845号に関連記事)。その後2011年初頭に、ホロリ・ゼルノ社は有限責任会社「現代ホロリアグロ」(所在地ウラジオストク)として再登記された。現在の株主は現代重工業(33.33%)、イリーナ・テイト氏(ニュージーランド人の名誉ウラジオストク領事マーティン・テイト氏の夫人;50%)、17名のニュージーランド人(16.67%)。今年1月には外国人の土地所有を規制する法令が定められており(本誌880号に関連記事)、企業の再登記はこれに配慮したものである可能性がある。
現代重工業によるロシアの農業企業の獲得には、業態を多様化し造船業への依存を弱める意図があると見られる(現在は売上の半分以上が造船部門)。その一方で韓国の食糧安全保障プログラムに関連して行なわれた取引でもあり、同国は2030年までに穀物自給率を50%に引き上げる計画を公表している。(後略)
(週刊ボストーク通信915号より)