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ロシアが穀物の輸出禁止を解除:インフラ問題による在庫滞留も一因

 プーチン首相は5月28日、昨年8月から実施している穀物の輸出禁止を7月1日に解除することを明らかにした。ロシア政府は、昨年の干ばつによる収穫の大幅な減少を受け、国内価格の安定を目的に穀物の輸出を禁止。その後、この禁輸措置が奏功し、現在のロシア国内の穀物価格は国際価格の半分程度と非常に安く抑えられており、今年7月の収穫期までの供給量は十分に確保できると判断した模様である。同日付で連邦政府公式サイトが伝えた。
 輸出禁止解除の背景には、ロシア南部における穀物の余剰在庫の問題がある。ロシア南部は昨年の干ばつの被害は比較的小さく、そもそも穀物の在庫には余裕があった。政府の方針により昨秋から、南部の余った穀物を、干ばつにより供給量が足りなくなった中央連邦管区や沿ボルガ連邦管区に輸送する政策が実施されてきた。ただ、南から北に穀物を輸送するインフラが未整備なため、穀物の移送はうまく進まず、政府の計画通りに実現できないことが確実となっていた。(後略)

(週刊ダーリニ・ボストーク通信898号より抜粋)




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