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ロシア沿海地方の化粧品市場:参入と拡大の可能性は

 本誌883号ではP&GとHenkelがトップシェアを持つ沿海地方の洗剤市場について取り上げた。同じくトイレタリーのカテゴリに入れられるバス用品や、一部トイレタリーと重なる化粧品の市場においても、沿海地方では外国メーカーが大きなシェアを有している。今回は沿海地方における衛生用品を含む化粧品市場について本誌現地記者の報告をお伝えする。
  なお、ロシアにおいて化粧品市場は、1) 個人用衛生用品(バス用品、デオドラント、ヘアケア用品、口腔衛生用品等)、2) 香水、3) 化粧品(口紅、マニキュア、スキンケア用品等)の3つに分類されることが多いが、今回の報告は1) と3) を対象とする。

Sollersウラジオストク工場で組み立てられるSsangYong車 (JSN現地記者提供) 細やかな顧客対応でアピールする「メグミ」(ウラジオストク)

市場は2016〜2017年までは成長し続ける

 沿海地方の化粧品市場に関するデータで公開されているものはない。モスクワの本社等から地元の関係者に伝えられている指標によれば、ロシア全体の化粧品市場は金融危機後、毎年平均6〜8%で拡大し、2016〜2017年まで成長が続くという。
また、大手化粧品小売チェーン「レトゥアリ」ウラジオストク販売店の店員によれば、港町の女性は他の都市や地方の女性に比べて衣服や化粧等の外装で男性を引きつけようとする傾向が強く、沿海地方の女性もその例に漏れない。そのため沿海地方の市場の商品レパートリーの幅は広く、高級品から中国製のコピー品まで非常に多様である。
極東の化粧品小売チェーン「チュドジェイ」では、沿海地方の女性1人当たりの購入額は月70〜100jまで伸びると見ている。この店の販売員は、「2008〜2009年の経済危機の際にはミドルアッパークラスの商品の顧客層が低価格帯に移動する傾向があったが、現在はまた元に戻り、様々な商品を試すようになっている」と述べている。

大手は欧米系

 マーケティングサイトPrimMarketing.ruのコプィロフ代表によれば、沿海地方の化粧品市場のトップメーカーはP&G、L'Oreal、Colgate-Palmolive、Unilever、Schwarzkopf & Henkel、Oriflame等の欧米の大手メーカーである。製品の多くはロシアの現地工場やOEMで現地生産されている。ロシアメーカーのシェアは25〜30%だという。(後略)

 

(週刊ダーリニ・ボストーク通信885号より抜粋)




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