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プーチン首相が政府幹部会を組織―内閣の全権限を幹部会に移行−

コメルサント紙 2008/5/20

  ウラジーミル・プーチン首相が政府決議「ロシア連邦政府幹部会組織について」に署名した。幹部会のメンバーは、25名の大臣、副首相、首相のうち15名。注目点は、フリステンコ産業貿易相など経済部門の閣僚が外れた一方で、“シロビキ”と呼ばれる治安関連省庁の出身者が名を連ねたことだ。同幹部会における決議は、これまで毎週木曜に行われてきた全員参加の閣議と同様の効力を持つ。これにより、そのつど全員招集をかけずとも、緊急を要する決議の可決を迅速に行うことができる。

  連邦法「政府について」37条は、政府が首相の決定により幹部会を組織する権利を認めており、プーチン氏自身首相として2000年1月21日に幹部会を設立している。ペスコフ政府官房長官は、幹部会のメンバーの数が15名である点を強調している。つまり、幹部会のメンバーだけで、閣議における政府決定の議決に必要な票数(14票)を1名上回っているのである。

  連邦法「政府について」28条に従えば、閣議によってのみ決定することの出来る問題は計15件あり、連邦予算案の下院への提出、経済・社会発展プログラムの採択、国家による株式の取得、連邦資産の民営化プログラムの採択、価格統制対象商品リストの策定、などがこれに含まれる。今後、全体閣議抜きに幹部会の決定によってこれらの決定は採択できるようになる。

  15日付でプーチン首相は「閣議の招集は一ヶ月に一度以上は行う」といっているが、大統領時代に毎週月曜日に開いていた閣僚との会議はもう行われない。メドベージェフ大統領は定期的な閣僚との会合を行う意図はない。とすれば、この政府幹部会が果たす役割は大きくなる。

 



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