コメルサント・デイリー紙 2007/8/21
ロシア連邦統計局によると、1ヶ月の賃金が2600ルーブル(約100ドル)未満の勤労者は、昨年の490万人から280万人に減少した。その一方で、7万5000ルーブル(約3000ドル)を超えた勤労者は13万2000人から22万5000人に増加した。その結果、賃金上位10%と下位10%の格差は、25倍から22倍に縮小した。調査はロシア国内の9万3000社(小企業は除く)で働く3340万人を対象に今年4月に実施された。
今年4月のロシアの平均賃金は1万2500ルーブルであるが、勤労者の68%が平均以下の賃金しか得ていなかった。
ロシア科学アカデミー経済研究所の研究員は、こう指摘する。「オイルマネーによる恩恵で、低い層における賃金は比較的早いテンポで上昇しており、賃金の格差は縮まっている。しかしながら22倍という格差は異常だ。ロシアでは、職務能力や労働生産性が賃金の違いとなって表れることは少ない。つまり、能力や貢献度が賃金に反映されにくいと言える」
別の専門家は、「賃金が上がらず、格差がどんどん広がれば、“社会的な爆発”が起きる危険性がある。富裕層が増えるのは良いことだが、まずは貧困を減らすべきだ」と警鐘を鳴らしている。